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海外就職の際の現地法人の選び方 ~親会社を見る~

 

 業種、生活環境、上司との相性などが重要であることは大前提である。今回は、私が現地採用となったあとに、実は重要であったと気づいた点を解説したい。

 

<目次>

日本本社の規模

 ・規則が確立=上司(社長)の恣意性が薄まる

 ・規則が確立=上司(社長)の権限が弱まる

②日本本社の業種

 

✎①日本本社の企業規模

 業界や社風によっても差があり、一概には言えないが、企業規模が大きくなるほどルール整備が進み、規則とその運用が洗練されていく。しかしながら、規則がしっかり確立されていれば良いかというと一概には言えない。規則が確立した会社の良し悪しを両面から考えてみる。

 

・規則が確立=上司(社長)の恣意性が薄まる

 これは、良い面である。海外現地法人の社長は、日本では課長クラスだったり、営業職や専門職であったりする。すなわち企業トップとして必要な経験やスキルがないケースが大半である。むしろ海外現地法人は、そういった経験を培う場として捉えられている。

 しかしながら、我々現地採用、そして現地スタッフにとっては管理職として未熟であっても、社長なのである。パワハラやセクハラはもちろん、不適切な権限を振りかざす、あるいは必要な権限を行使しない人間では困る。コンプライアンスのしっかりした企業であれば、海外現地法人の社長の権限をコントロールおよびチェックする体制を構築している。

 もちろん、機能していないケースもあるが、やはり企業規模と企業体制の健全性はある程度比例する。また、現地法人の社長の行動が法あるいはモラルに反する場合、社員がそれを通報するためのコンプライアンス窓口を設けている企業もある。総じていえば、親会社の企業規模が大きいほど、タイ現地法人にも健全なコンプライアンス体制があり、奇人・変人は淘汰されやすい。

 

・規則が確立=上司(社長)の権限が弱まる

 端的に言うと、すごく一生懸命働いて社長に気に入られても「私としては君の給与をもっと上げてたいけれど、本部が昇給の上限を決めていて、それが5%なんだよね」といったことがおきる。

 断言するが、日本本社は日本人現地採用のことは眼中にない。それはある意味仕方がないことで、自身の体験したことがないキャリアである日本人現地採用の苦悩を分かってもらうことは無理がある。

 そういった中であっても、立場は違えど社長や上司(海外現地法人は規模が小さいため、上司=社長であることが大半)は同じ国で身近で働いているため、ある程度は現地採用の苦労や悩みをわかってくる。しかし、共感があっても、本部のルールや予算の制約など、「上が決めているのでごめんね」ということになるのである。

 残念ながら、日本本社から現地法人に与えられた範囲での待遇の改善は期待できても、自らが本部から悪印象を持たれるリスクを取って、現地採用の味方をしてくれる人は存在しない。現地採用の待遇について、軽く日本本社に提案してくれるだけでもありがたいというのが実際のところである。

 

 長々と書いたが、「どういった人格の上司がどの程度の権限を持っているのか」これが肝要である。こういえば元も子もないが、優秀な上司、社長の下で働くことができれば、上記の問題はあまり意識する必要はない。

 しかし、駐在員は任期があり、現地法人に入社して3年も経てば、入社時にいた先輩や同僚は半数以上変わってしまうのが海外法人勤務の宿命である。現地法人の人員は変わっても本社の組織風土は変わらない。会社のカルチャー、すなわち何をその組織が良しとするかを理解しておけば、組織の変化に適応しやすい。

 もっとも、現地採用は3年の壁と言われるものがあり、3年続くケースはそれほど多くない。日本人駐在員、日本人現地採用、そして現地国籍のスタッフ、それぞれ異動あるいは退職により、人は目まぐるしく動いていく。3年もいれば、業務内容や社内事情に精通した貴重な戦力になる。2年目から3年目にかけて活躍するイメージで経験やスキルアップを図ると良い。

 

✎②日本本社の業種

 業種によって、社風やカルチャーは大きく異なる。例えば駐在員の任期にしても、メーカーの場合は最初に駐在期間の目安が伝えられることが多い。また、任期があと半年と伝えられるなど、人の入れ替わりがある程度読める。

 一方で、金融の場合は任期は伝えられず、国をまたいでの異動であっても、突然2週間後の異動・帰国が言い渡される。これは、日本のカルチャーを踏襲しているもので、不正防止の観点からいきなり辞令を出し、不正を隠す間もなく次の職場に移るのである。例えば、金曜に辞令が出て、次の月曜には新しい職場に行く。そして2週間引き継ぎをし、今度は自分の職場に戻り、自分の業務を後任者に引き継ぐのである。さすがに海外の場合、ビザや労働許可の問題があるため、一定の準備期間はあるが、いつ人が入れ替わるかわからず、辞令が出れば即、人が動く。

 海外現地法人の業務がコンサルティングであっても、親会社が商社なのか、シンクタンクなのか、金融なのかで大きく社風は異なる。海外現地法人は独自の慣習や就業規則があるとはいえ、基本的には親会社のものをベースとして策定されている。また、その制度を制度を運用する人間は、親会社のカルチャーにしっかり浸かった駐在員である。したがって、親会社はどんな会社かをしっかり理解しなければ、現地法人の将来の変化を予測しやすい。

 

 海外就職の際には、現地法人、特に現地法人の社長を注視しがちである。確かにそれは非常に重要なのだが、親会社の組織風土やカルチャーもできる限り把握すべきである。ネットで調べる、直接聞くなど、手段や得られる情報は限られるであろう。しかし、親会社の理解は、現地法人で仕事をしていく上でも有用であるため、しっかり理解しておきたい。

 

✎おわりに

 現地採用として就職する場合、待遇、現地法人での仕事内容、上司あるいは現地法人の社員の人柄が最重要であろう。親会社については、考慮要素の1つ程度ではないだろうか。

 しかし、親会社の社風が現地法人に与える影響を理解しておけば、現地法人における立ち回りの助けになるはずである。