鼻が折れると鼻血が出る

鈍器で顔を殴れば鼻は折れるし、誰かのために行動すれば社会は変わる。仕事も執筆も想いを込めて。

タイの物価上昇率および実質的な日本人の生活コストの増加

 昇給率を考える時には、物価上昇率もあわせて考える必要がある。昇給率が3%でも、物価上昇率が3%ならば、実質的には生活は豊かになっていない。年齢とともに支出が増えるのが通常であるので、むしろマイナスである。

 

【タイの物価上昇率】

 消費者物価指数(CPI)の上昇率(以下物価上昇率)は、その国の中央銀行あるいはIMF(国際通貨基金)のHPで簡単に手に入る。以下が、2014〜2018年のタイにおける物価上昇率である。

1.9% -0.9% 0.2% 0.7% 1.1%

 これを見ると、タイの物価上昇率はほとんど上がっていない。しかし、「タイの物価はどんどん上がっている」という感覚を持っている旅行者やタイ在住者は少なくない。これはどういうことであろうか。

 

【日本人の生活コストの増加】

 タイ人の人件費上昇と、不動産の価格ならびに賃料動向を見ればこの答えが見えてくる。

 ジェトロ調査によれば、非製造業のスタッフ(役職無し)の月額賃金は、2014年に663ドルであったのが2018年には789ドルとなっている。年平均で言うと約4.5%の上昇率である。なお、タイ人の平均昇給率もだいたいこの程度である。

 次に不動産動向である。立地や不動産の種類(コンドミニアム・オフィスビル・商業モール)によって、売買価格および賃貸価格の上昇率は大きく異なる。しかし、ざっくり言って価格、賃料ともに年間5%程度上昇している。

 いくら、米や野菜の値段が変わらなくとも、賃料と人件費が上がればレストランの価格は上昇する。われわれ日本人がタイで暮らす際の支出において、家賃と食費は相当の割合を占める。特に収入が低い程、家賃と食費の収入に占める割合は高いであろう。

 したがって、統計上の物価上昇率は低くとも、われわれ日本人がタイで暮らすコストは上がっているのである。

 

【昇給率について】

 タイの物価上昇率は、東南アジアではシンガポールとともにトップクラスに安定している。しかし、日本よりは統計的にも体感的にも物価は上がっているのは前述の通りである。したがって、昇給率については、しっかりと主張したい。

 現地採用になるにあたって、日本での勤務時よりも給与を落としている人が大半であろう。日本の平均的な昇給率、タイでの実質的な物価上昇、あるいは会社への貢献など、様々な切り口から昇給の交渉はしっかり行いたい。

 個人的には真面目に働いてるならば、最低3〜4%がタイにおける昇給の下限ではないかと思う。それ以下の場合、自身のキャリアの見直し、転職の検討、自己投資など、何かしらのアクションを取るべきである。