鼻が折れると鼻血が出る

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(小説)タイへの海外就職前夜

 

 私は日本を離れて、違う国に行く。

 それは海外就職という形で。

 何故、海外就職をしようと思ったのか……、その理由はただ一つ。

 一度海外に行って、日本という枠から離れて、生きてみたいと思ったからだ。


 大学一年生の頃、海外研修という形で行った。

 初めて海外に行って、海外というものを見た時、私はとても感銘を受けた。

 そして研修先では日本人が起業した会社を見る機会があった。

 日本人と外国人が、一緒に働くその会社は、とてもアットホームで、日本よりもずっと自由に感じた。

 日本だと、出る杭は打たれる。だから個性を出すことが出来ない。

 でも海外は違う。

 個性を尊重してくれるのだ。

 無理矢理、皆に合わせる必要もない。

 私は情報系の大学に通っており、現地でプレゼンをする機会をもらった。

 すると、どうだろう。

 いつも個性的過ぎると言われるプレゼンが、「面白い」と良い評価を貰えたのだ。

 こんな環境で働けたらと、少し思った。

 別の会社にも見に行った。

 そこでもやはり個性を尊重するし、服装も自由な会社だった。

 あまり固くない会社ということもあったからだろうが、でも、その自由さは本当に魅力的だった。

 海外の料理も、研修の楽しみの一つだった。

 研修生同士で、現地で人気のお店に行き、食べて食べまくった。

 日本ではありえないビッグサイズに、皆して笑った。

 海外研修はたった一週間だったが、とても濃いものだったと、私は記憶している。


 それから私は海外研修を終えて、日本に戻ったが、息苦しさのようなものを感じた。

 たった一回。それしか海外に行ってないのに、私の心はもう海外に強く引き寄せられていたのだ。


 それから、大学で海外就職をしたいと、就職支援室に相談をした。

 いろいろな国があって、いろんな制度や文化がある。

 私はそれをよく聞き、メモを取ってメリット、デメリット知るところから始めた。

 そうして、私は大学一年生の頃から情報収集を行っていた。


 大学二年生になると、私は自分で調べて海外にインターンシップに行くことにした。

 両親に、海外就職を視野に入れていると言い、少しだけれどお金も援助してもらった。

 残りはアルバイトで稼いだお金で。
 ビザも、労働許可証も取って、準備は万端だった。

 そうしてインターンに行くと、凄く心細かったが、慣れない外国語にもかかわらず、相手は必死に聞いてくれようとしていた。そのお陰もあって、私は無事、インターンを続けることが出来たのだ。

 このインターンで行った国はタイだった。

 タイという国は微笑みの国とあって、温かな印象を持っていた。その印象は日本に戻るまで、変わることはなかった。 

 ただ、英語はほとんど通じない。

 それだけは少し困った。

 でも買い物は指差しで、タイ語も少しだけれど勉強していたから、なんとかなったのだ。


 インターンそのものは失敗もしたが、全体的には結構良かったと思う。

 日本食が恋しくなった時は、現地の日本食屋に行った。

 思ったよりも日本食屋があったし、タイ料理も勿論、食べることには困らない。

 ホテルも綺麗だし、言うことなしだった。


 インターンを終えて、日本に戻るとタイと全然違うことに気づかされる。

 それはインターンの前よりも、より強くそう思った。


 そして大学三年生になると、就職活動を始めた。

 情報収集から、企業研究。そして自己分析。

 日本と違う国なのだ。

 きっと日本で聞かれるようなこととは違うことが聞かれるだろう。

 自分をアピールするために、それらは必要だった。


 時間をかけて、三社を受けることに決めた。

 そして面接日はあっと言う間にやって来たのだ。

 面接をしてわかったことは、やはりそれぞれ特色があること。

 また、社員のレベルや志向がどう違うのかも見えた。

 内定は二社から出たが、私はより自分の望むものに近い条件の会社に決めた。

 不安がないと言ったら嘘になる。

 それでも、私はタイに行きたい。


 さあ、タイへ行こう。

 そこに私が望むものが待っている。

 

根本鈴子様よりご寄稿