鼻が折れると鼻血が出る

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タイ現地採用1年目の教科書

 

 まずは、「ようこそ、タイへ」

 現地採用としてタイで働くという選択が、正解かどうかは分からない。しかし、この選択を正解にするために、きっとできることが幾つもあると思う。

 

✎語学ができるから、仕事ができるわけではない。そして、それは語学を勉強しない理由にはならない

 さて、仕事を始めてみて、「あれ?意外とカタコトの英語でなんとかなる」と思ったのではないだろうか。英語にしろ、タイ語にしろ、出来なくてもそれなりに働けてしまう。それがタイの良いところであり、怖いところである。

 語学ができる人よりも、あなたは仕事ができるかもしれない。しかし、「語学ができるあなた」は、「語学ができないあなた」よりも優秀である。当たり前のことだが、英語やタイ語ができれば、より付加価値の高い仕事ができる。しっかりと、語学スキルを上げていきたい。

 幸い、タイ語を覚えればすぐに実践できる機会がたくさんあるのだ。朝の通勤のちょっとした時間をタイ語に使ってはどうだろうか。

 YouTubeにはタイ語の単語をひたすら60分流し続ける動画もある。しかし、朝から集中して勉強の動画を見続けるのは疲れてしまうかもしれない。それなら、かわいい女の子(あるいはイケメン)がタイ語を教えている動画をみよう。内容の濃さよりも、「見続けることができる」というのが重要である。

 美人タイ人YouTuberのNasiさんについて

nasi(奈子)さんから学ぶ、海外で働く日本人に求められるスキル - 鼻が折れると鼻血が出る


✎「重要だが緊急でないこと」に時間を割く。日々の惰性に流されてはならない

 なぜなら、現地採用は常に戦っていかなければならないから。

 キャリア、金銭面など、不安は常につきまとう。SS級の現地採用だって、実は立場に不安を覚えている。給与が飛び抜けて高い以上、会社に必要なくなったら切られるのではないかと。

 われらタイ現地採用は主体的に自らの将来を設計していかなければならない。

 外国人としてタイで暮らすことは、快適である。タイ人よりも収入が高く、車の運転もしてもらえる。会社でも街でも微笑んでもらえる。しかし、タイ人とトラブルを起こせば、タイの法律も制度もタイ人を保護する。

 理不尽と自分自身で戦わなければいけない時が必ず来る。

 その時に必要な武器は、語学かもしれない。金銭かもしれない。知識や人脈かもしれない。転職市場での価値かもしれない。いずれにせよ、何か武器を研いでおく必要がある。

 えてして、そういった努力は後回しにされがちである。「重要であっても、今日しなくても良いこと」は、ずるずると後回しにされてしまう。

 しかし、何か決めたことを数カ月続けた自分を想像して欲しい。未来のより良い自分を脳裏に描けるのではないか。

 現地採用は、異国の地で不安定な雇用で働く者である。頼りになるのは、自分自身である。

 タイでの生活は思ったよりも忙しいのではないだろうか。日常に忙殺されると、あっという間に在タイ期間だけを重ねてしまう。

 あなたにとって「重要だが緊急でないこと」は何であろうか。真摯に考えてほしい。多くのことはできないかもしれない。しかし、これ!と決めたことはやり抜こう。

 その努力は、きっといつかあなたを救う。


✎海外に来てまで日本人同士で群れるのはかっこ悪いとは思わず、めんどくさいとも思わず、定期的に交流する

 現地採用、駐在員、起業家、フリーランス、ロングステイヤーなど、タイ(特にバンコク)には様々な人たちがいる。日本にいれば仲良くなる機会がないような人とも、同じ日本人であるということで接点ができる。海外生活の一つの魅力である。

 特に、自分より在タイ期間が長く、優秀だと思った現地採用の人とは、積極的にコミュニケーションを取ると良い。自分が今後、タイで働く上でぶつかる困難を既に乗り越えているかもしれない。

 先日、年齢も近く仕事内容も似ているタイ現地採用の知人が日本で転職活動をした。オファーされる給与、どういった業界や職種から好感触をもらったかなど、様々な情報をもらった。自分のキャリア戦略を考える上で貴重な情報となった。

 実は私は、タイに来たとき、在タイの日本人と付き合わないと心に決めており、最初の3年間はほとんど日本人と交流を持たなかった。駐在員は敵、現地採用とは慣れ合わない、そういった謎の価値観に囚われていた。今思えば相当愚かであった。

 日本人と交流する時間を無駄と考え、資格や語学の勉強など、自己研鑽に集中するのなら良い。しかし、私は週末をだらだら過ごし、結局、無為にたくさんの時間を消費した。そうであれば、在タイの日本人と触れ合うことによって刺激をもらうほうが良かったと思っている。


✎タイ人と付き合ってみる。ラーメンが好きでも、寿司屋ではまずは寿司を頼むのと同じである

 タイで恋人として付き合う相手を日本人に限定することは、寿司屋に行ってラーメンしか頼まないようなものである。寿司屋では寿司。タイではタイ人。

 タイ人と付き合うと苦労するであろう。時にはとんでもない経験もするだろう。そして、タイについての理解を徐々に深めていくのである。

 愚行権という概念が好きだ。愚かな行為であっても、人に迷惑をかけない限り、自己の行動を誰にも邪魔されない権利が人間にはあるはずだ。

 では、タイでの愚行権とは何か。そう!ゴーゴーバーの女性と付き合ってみるが良い!!もちろん、ゴーゴーボーイの男性でも良い!!!

 タイ人の妻が持ち込む様々なトラブルは、無数の落雷のようにあなたの精神を削り、弩級のハリケーンのようにあなたの財産を空高く巻き上げる。

タイ現地採用の10万バーツの壁および結婚に関する考察 - 鼻が折れると鼻血が出る

 半分、冗談である。半分ね。


✎きっとあなたの会社には、とんでもなく杜撰な点がたくさんある。解決しなくても良いが、解決策は練っておくべし

 タイ現地法人は「すべきことをやっていない」が山積みである。それ以前の問題として、そもそも何をすべきなのかが分かっていない。

 子会社とはいえ、1つの法人である。また、日々、コンプライアンスの意識が高まってきている。意味不明な法律であったとしても、施行された以上は、守らざるをえない。たとえ、多くのタイの中小企業が無視するような法律であったとしても。

 社内の就業規則、従業員との労働契約書、顧客との契約書などを誰もきちんと把握していない。こういった事態は日本であれば起こり得ないであろう。しかし、タイでは日常茶飯事である。

 タイ現地法人の日本人マネージメントは、日本では営業職や技術職だった人が大半である。管理業務は全くの専門外である。できないというよりも、やろうとしない、あるいは必要性を認識していない。問題を問題と認識していない以上、タイ人に問題解決のための指示を出すこともない。

 タイ人スタッフは日本人の指示に従って唯々諾々と仕事をするタイプが大半である。「社長の意に反しても、自ら積極的に会社の問題解決に動く」ということはない。もちろん、優秀なタイ人もいるが、自分の職場にそういった優秀なタイ人がいることを期待すべきではない。

 売り手市場(求職者が職探しに困らない)であるタイでは、優秀な人は職場を自ら選んでいる。優秀なトップ、優秀なマネージメントのいる企業でなければ、優秀な人材を雇えない。要は、ダメな会社はダメな人しか雇用できないのである

 会社の中の情報だけでは、「自分の会社は、どのようなすべきことをやっていないのか」は見えづらい。本やセミナー、他社の取り組みを学ぶなど、会社外でのインプットが大事である。

 まずは、問題を把握する。そこからである。
 

✎上司の意向を踏まえつつ、少しずつ会社の問題を解決していく。それは幹部あるいはエースへの道のり

 うまくゲームをプレイするには、ルールをよく理解する必要がある。しかし、真に強いのは、ルールを作った人間である。

 前述の通り、タイの現地法人は問題が山積みだ。それらを自らの意思で少しずつ解決していく行為は、会社を自分が理想とする組織に近づけていく道のりである。

 また、未来の戦略を描く行為も同様である。未来の戦略というと、大げさに聞こえる。しかし、意思を持って仕事をすれば、一つ一つの作業が未来の会社の姿に影響を与える。

 たとえば、私の会社では、新人へのレクチャーを今まで古株のエース社員が一手に引き受けていた。しかし、私の提案で、若手や中堅社員も含めて各自の詳しい分野を分担してレクチャーをするように変えた。

 正直に言って、レクチャーの質は落ちたであろう。できる社員は、だいたいどの分野も上手く説明できる。

 私が狙ったのはレクチャーの質の向上ではない。レクチャーをすることを通じて、教える側の業務知識の向上を意図した。1人が色んなことに詳しいという「人依存」の体制を変えるための1つのアイデアである。

 これだけで、何かが大きく変わるほど組織の慣性は弱くない。しかし、様々な意思決定の際に「人依存」を減らすための施策を重ねていけば、少しずつ組織は今までと別の方向に動いていくであろう。どこかのポイントで、私の会社は「人依存」を減らすという方向の慣性が働き始めるのではないか。

 もしあなたが、組織を動かすことが出来たのならば、あたはその組織でうまく立ち回ることができる。

 自分が主導して作った、組織のルールであれば守るのは容易であろう。あるいは、自分が描いた理想や戦略であれば、それを熱意を持って実行することができるであろう。

 会社で活躍すれば組織を変えやすくなる。組織を変えれば、それはさらに自分が活躍できる土壌となる。好循環ができあがる。

 会社の問題点を発見したり、良い戦略を思いついても、指摘あるいは提案する時期が大事である。実績のない新参者が、いきなりアレコレ言っても煙たがられるリスクが大きい。

 問題が顕在化して社長から意見を求められるなど、時機を見定める必要がある。この時、事前にいかに準備をしていたかで、問題解決の提案の質は大きく変わる。

 もしここで、「私も少し気になっていて、この前に調べてみたんですが、〜〜〜かもしれません」と適切なアドバイスを謙虚に言えれば、一気に社長の信頼を得ることができるであろう。

 さらに一歩進んで、会社の問題をあなたがピックアップして、それを複数人で分担して対応する。これが実現すれば、加速度的にあなたが活躍する土壌ができあがる。

 この頃には、あなたは優秀なマネージャあるいは幹部候補となっているであろう。


✎出世する奴は、仕事のできる奴ではなくて、上司に好かれる奴。上司が望む仕事を全力でやる

 先日、耳が痛くなるブログ記事を見つけた。まずは、下記の記事を読んでほしい。

 「仕事ができる」ことは、出世にとって一つの武器ではあるが、さほど強い武器ではない。

無能だけど給料が高い「あの人」は、一体何が評価されているのか? | 識学式リーダーシップ塾

 少し、観点は異なるが、「実際に仕事ができる」のではなく、「仕事ができる奴と上司に思われること」が重要であるという記事を過去に書いた。

 仕事ができる奴と思われれば、重要な仕事を任される。重要な仕事を任された時点で、重要な仕事をしている社員になるし、重要な仕事をすれば実力も伸びるのである。

現地採用が活躍するための3要件 - 鼻が折れると鼻血が出る

 タイ現地法人の場合、だいたいは上司イコール社長である。いかに社長に好かれるかが、現地採用の命運を分ける。

 海外の現地法人は環境の変化が激しい。前の社長(あるいはキーマン)には可愛がられていたが、新しい社長(あるいは今のキーマン)には冷遇されるというケースも起こりうる。

 したがって、次々と人の顔ぶれや組織の環境が変わる中で、好かれ続けなければいけない。その一つの解は、「仕事ができる奴になって、その能力を社長が望む方向に使う」ことである。

 社長の意には反するが、自身の信念としてどうしてもやり遂げたい。こういった信念は立派だが、それは会社員がするべきことではないかもしれない。会社員ならば、上司を納得させて仕事に取り組む必要がある。

 タイ現地採用は、転職という選択肢が常につきまとうため、やはり仕事ができる奴として、転職市場での価値を保つほうが健全ではないかと思う。

 好かれるどうかは社長との相性の問題もあるが、仕事ができることは、好かれることよりも継続できる可能性が高い。

 余談であるが、社長に好かれることはトラブル回避にもなる。

 タイ人と人間的なトラブルがあった際、結局何が実際にあったのかの真実は分からない。トラブルを裁く立場の社長は当事者の意見を聞きつつも、何が起きたかを推理するしかない。

 当事者の意見が食い違う、情報がない部分があるなど、情報が完全でない中、どちらが悪いのかを判断しなければならない状況もある。この際、普段の言動が斟酌されるであろう。普段の言動、つまるところは、裁定者がそれぞれのトラブルの当事者をどう思ってるのか(好感度の高低)が、トラブルの裁定に関して大きく影響してくる。

 社長は裁判官ではないし、会社は裁判所ではない。優秀でお気に入りの社員と、無能な評判の悪い社員が揉めた場合、仮にどっちもどっちだったとしても、優秀な社員の肩を持つ方が会社として「正解」であるという考え方もある。もっと言うと、トラブルを良い機会と考え、無能な社員を必要以上に叱責し、(あわよくば)離職してもらおうとする会社さえある。


✎おわりに

 ここに書いたことはすべて手段であって、クオリティーオブライフ(人生の満足度)を上げるための1つの方法に過ぎない。

 私はタイで現地採用として生きていく上で、出世と昇給は必要と考えている。しかし、繰り返しになるが、それは手段であって目的ではない。

 例えば、頑張りすぎて睡眠時間を削り、健康を損ねては意味がない。残念ながら、一時的に頑張ったとしても、1〜2年後、そのことを覚えてくれている人はほとんどいないし、ましては長期的に評価されて出世や昇給に響くといったことも勿論ない。

 もちろん、人生においては勝負をかけなければならない時が存在する。擦り切れ、燃え尽きるまで働くべき時期があるかもしれない。しかし、この努力や目指すべき成果は、数年後にも意味を持つだろうか?と考えなければならない。

 継続的に貢献を続け、現在の労働価値が高い者が評価をもらい続けていく。当たり前すぎるが、忘れがちである。

 未来を見据え、無理をしない範囲で。しかし、堅実に継続的に努力をする。言うは易し、行うは難しである。

 われわれはタイ現地採用として働くというリスクを取ったのだ。追加で努力というコストを支払おうではないか。リターンを信じて。

 

 お互い頑張ろう。胸を張れるように。