アジア就職キャリア論

タイ現地採用6年目。行動しながら日々悩んでます。皆さまのキャリアのお役に立てますように!

コンドミニアムを契約期間満了前に退去しても、デポジットは没収されない

 

 我々はタイでは外国人であり、トラブルにあった時には、公的な機関の助けを借りることが難しい。トラブルにおいては、法律知識と交渉力が必要となる。今回は、不動産賃貸に関する法律、通達について記載したい。

 

✎契約期間満了前の退去が可能になった

 タイでコンドミニアムを借りる際は、1年契約であることが通常です。
 家を借りたけれども、タイ就職が上手くいかず、9ヶ月でタイを去る時には、契約期間満了前の退去として2ヵ月分のデポジットが没収されてしまいます。
 しかし、2019年10月10日にタイの消費者保護委員会が不動産の賃貸に関する通達を出しました。主なポイントは2つです。

  1. 契約期間の半分が満了している場合、30日前に申し出れば賃貸契約の解除が可能
  2. オーナーは、入居者が債務不履行となった場合には、デポジットを没収できる。

 これは消費者保護の法律ですので、2.は、「入居者が債務不履行でない場合はデポジットは没収できない」と解釈できます。
 さらに、1.を満たしていれば何も契約違反はなく、穏当に契約が終わるわけですので、入居者に債務不履行はありません。
 よって、1年未満(契約期間満了前)の解約であってもデポジットを没収されることはありません。こういった規定は強制法規(当事者の合意があっても変更不可)となります。したがって、契約書によって「契約期間満了前の解約は、いかなる場合でもデポジットを没収」と定めていてもその条項は無効となります。
 こういった入居者に有利なルールは、オーナーや管理会社は教えてくれません。
 法律をオーナーに主張するのは手間なので、なるべく契約期間に退去するほうが良いと思いますが、どうしても契約期間の満了前に退去する時は主張してみるといいでしょう。

 

✎実はデポジット2ヶ月が違法であるケースも

 タイでコンドミニアムを借りる時、何も考えずにデポジット2ヶ月分を払ってませんか?
 たしかに、タイの慣習では、コンドミニアムを借りる時、入居の前に家賃の3ヶ月分を払います。保証金が2ヶ月分、前払い家賃が1ヶ月分ですね。
 でもこれ、本当はちょっとおかしいんです。
 2018年5月1日に改定された消費者保護法によって、5部屋以上の賃貸物件を所有している場合、デポジットの上限は一ヶ月と決まっています。
 オーナーが法人の場合、5部屋以上の賃貸物件を持っていることは少なくありません。したがって、このようなケースは、前払い家賃1ヶ月+デポジット1ヶ月の2ヶ月分が入居前に支払う費用となります。
 なお、デポジットが1ヶ月だけど前払い家賃が2ヶ月で、結局は3ヶ月分の前払いというのは認められません。なぜなら前払い家賃の上限も1ヶ月と決められているからです。なかなか、タイの法律もちゃんと考えられてますね。 


✎ルームクリーニングの費用も本当は払う必要がない

 タイの退去費用は、オーナーによってかなり異なります。良心的なオーナーの場合、きれいに使っていればほぼ全額のデポジットが帰ってきます、しかし、退去時にルームクリーニング、エアコンの清掃、壁紙の張替えなど、「次の入居者にすぐ貸せる状態にする費用」を請求されることもあります。
 しかし、前述の消費者保護法で、「通常損耗や経年劣化について、入居者は費用負担する必要がない」と定められました。すなわち、普通に部屋に住んでいても発生する劣化については、入居者は支払う必要はありません。
 もちろん、故意または過失による破損は支払う必要があります。しかし、ルームクリーニングできれいになる汚れは、通常損耗によるものだけです。したがって、本来はルームクリーニング費用を負担する必要はありません。
 まずは契約書を確認しましょう。契約書に、「入居者はすべてのダメージを賠償する義務がある」と書かれている場合と「故意または過失によるダメージについてのみ賠償する義務がある」と書かれている場合があります。
 前者の場合、退去時にかなりの金額がデポジットから引かれる可能性があります。もし、そういったケースに遭遇した場合、消費者保護法を引き合いに出して反論してみるのも手です。

 

✎終わりに

 正直、法律がどうであれ、英語で交渉するのはなかなかしんどいと思う人が大半でしょう。日系の不動産仲介会社では、入居や退去について(会社によって差はありますが)多かれ少なかれサポートしてくれます。
 不動産仲介サイトで自身で物件を探すことはお勧めしません。お得な物件が見つかる可能性もありますが、トラブルに孤立無援で戦わなければならない可能性も出てきます。
 私はコンドミニアムを借りる時に、日系の不動産仲介会社を通したことがありません。DD propertyというサイトを見て、オーナーあるいはタイの不動産仲介会社と交渉をしています。
 おかげでトラブルという貴重な人生経験をたくさん積ませてもらいました。また、英語の契約書を読んで、修正の交渉をするなど、無茶無茶めんどくさい経験もできました。マジ、しんどかったです。

 そして、お得な家賃で家を借りることに成功したこともないというww
 それはさておき、日系の不動産仲介会社を使ったことがない以上、お勧めの先などは特にありません。ただ、大手の日系不動産仲介会社は、家賃が4万バーツ以上の物件しか取り扱わないなど、現地採用に優しくありません。なので、現地採用でも利用できる、1万バーツ代の物件も取り扱う不動産仲介会社を2社挙げております。

・プラカノンハウジング

バンコクの賃貸・不動産情報 | プラカノンハウジング | バンコクの賃貸不動産、コンドミニアム、マンションなど、常に最新の情報を公開。バンコクでも近年注目されているプラカノン・オンヌット・エカマイエリアを中心に賃貸の不動産情報をご紹介します。

・nayoo不動産

タイバンコク不動産(賃貸)Nayoo~住みたいをお届け~

 どちらも本業の仲介事業については、存じあげません。しかし、プラカノンハウジングはnasi(奈子)さんを登用しており、nayoo不動産はブログが面白いため、応援しております。

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✎【記事の注意事項)

 私はタイの法律に精通しているわけではありません。ある程度リサーチをした上で書いておりますが、内容の正確性については保証できません。そこはご留意くださいませ。