鼻が折れると鼻血が出る

鈍器で顔を殴れば鼻は折れるし、誰かのために行動すれば社会は変わる。仕事も執筆も想いを込めて、存在を証明。

2020年のタイ経済予測(コロナの影響など)

 

 色々不透明な要素が多いので、数字を交えて解説していきますね。執筆は2020年2月14日です。

 

✎観光

 2019年の訪タイ観光客数は3,980万人。2020年の観光客数はコロナウイルスの影響が長引けば3,500万人、収束が早ければ3,600万人と観光庁は予測している。もっとも、この観光客数は2017年(3,560万人)と同水準。そもそも観光客が3,000万人を越えたのは2016年からであり、長期トレンドで見れば継続的な上昇中の一時的な落ち込みと評価できよう。

 去年タイを訪れた中国人観光客は1,099万で、全体の27.6%を占める。観光業界を2020年全体で見れば、観光客数が2019年対比10%ちょっと減るに過ぎない。しかし、中国人団体観光客の受け入れが多いホテル・観光施設は大打撃、売上げが半減ということもザラ。

 いや、ザラというか直近に限れば大半かもしれない。2月1日〜7日の訪タイ観光客数は前年同期比マイナス40%と観光庁が発表。中国人に限らず、全体がマイナス40%である。思ったよりやばい。ちょっと驚いた。

 

✎(余談)ソンクランは9連休?

 政府内で議論が出ている。観光業を支援するため、4月のソンクランの連休を増やそうということらしい。

 こういう施策は強力な反対意見が出にくいので、たぶんやるであろう。あんまり意味ないと思うが。


✎輸出

 2019年の輸出は2018年比マイナス2.7%であった。2020年の輸出も2019年比マイナス1.8%とタイ商工会議所は予測している。電子製品、自動車・自動車部品、農産物が不調。一方、家電、衣料・繊維、食品の輸出量が2019年対比で増加する見込み。

 去年から続いている世界経済の減速トレンド、コロナウイルスの感染拡大、バーツ高など、逆風要素は大きい。ビジネスチャンスがあるとしたら、各種の製造業にて、アジアのサプライチェーンや生産の分業体制の見直しが進んでいること。この動きが自社の業務と噛み合えば、企業によっては受注アップも狙えるか。

 

✎バーツ

 観光も輸出も不調で、外貨収入が減少。そうするとバーツも弱くなるかと思われるが、、、

 実際は輸出が減っても輸入も減るため、外貨収入は維持というか拡大。2019年の輸出額は2018年比マイナス2.7%の2,462億米ドル、輸入額はマイナス4.7%の2,366億米ドルで、貿易収支は96億米ドル(タイ商務省データ)。結果、貿易黒字は2018年より増えている。

 2020年も、輸出と輸入が微減となるが、貿易黒字により外貨準備高が積み上げっていく状態が継続するであろう。

 次は観光による外貨収入の減少について。2019年に3.0兆バーツだった観光収入が2020年には2.9兆バーツとなる見込み。これは観光庁の発表で、個人的には2.7〜2.8兆バーツくらいに落ちる気がする。もっとも、この水準でも、依然として世界有数の観光大国と誇れる数字である。おおざっぱな言い方になるが、観光によって外貨をたくさん稼いでいるという状況は2019年も2020年も大差がない。

 「バーツの強さ≒タイ政府の信用≒外貨準備高≒外貨をどれだけ稼ぐ力があるか」

 為替は様々な影響に左右され、予測はできない。しかしマクロ統計からみると、2020年もバーツは安定してるという見解になる。

 もっともさらなる利下げ、タイ経済の景気停滞などはバーツが下がる要素となる。なんだかんだで、今年のバーツ円は、3.3〜3.7(1バーツ=3.3〜3.7円)でしょう。ただし、3.3に行く可能性のほうが3.7に行く可能性より高いと思われる。


✎自動車産業

 2019年の自動車生産台数は201.4万台。2018年と比べるとマイナス7.1%である。内訳をみると、輸出向け生産は103.7万台、国内向け生産は97.7万台。

 タイ工業連盟の出している2020年の自動車生産台数予測は、200万台で微減(ほぼ横ばい)。しかし内訳に注目。輸出向けと国内向けが各100万台で、イコールとなっている。したがって、2019年と比べると2020年は、国内市場がプラスで、輸出がマイナスとなる。

 現在タイの自動車生産能力(MAX稼働した場合の上限)は300万台弱。200万台前後の生産台数では、自動車業界に設備投資ブームはこない。

 今後のトレンドでおさえるべきなのは電気自動車。タイ政府は、多額の金を出して電気自動車のタイ国内普及を本気で推進する気はないのは明確(ちょっとした施策で頑張っているふりをPRするくらい)。

 タイにおける2019年の電気自動車の新規登録台数(電動二輪を除く)は前年比4.1倍の781台。累計登録台数も1,000台を突破した。伸びているとはいっても、たかだか1,000台。タイ国内で年間100万台車が売れている中での、781台なので、0.078%でしかない。

 一方で、タイで電気自動車を作って輸出して欲しいとは思っている(当然か)。タイで作った電気自動車を輸出できるか、すなわちタイの電気自動車産業が競争力を持つことができるのかが焦点。電気自動車のトレンドを考える上で、着目すべきはタイ国内の動向ではなく、電気自動車ならびに電気自動車部品のタイ国外への輸出である。


✎国内景気

 民間消費が2019年の途中までいい感じであったが、ここ数ヶ月は低迷。民間消費指数はマイナスまではいかないが、プラス2%くらいのぱっとしない数値。国会の予算審議が難航していて、公共事業への支払いが滞っている。地方の土建屋は青息吐息。

 しかしバンコクは相変わらずの活気。2020年もオフィスワーカー・ブルーワーカーともに、賃金は4%程度上がる予定。BTSやMRTでiPhone11を持つタイ人をちらほら見るのも納得。

 政府は2020年の4月~6月に予算をばらまく(ちゃんと使う)と宣言。与党が国会運営をちゃんとできるのかが鍵。

 

✎2020年のタイの成長予測

 2月末~3月上旬あたりに、政府機関や民間シンクタンクが2020年の経済成長率としてプラス2.0~2.5%あたりの数値を出してくると予想。ちょっと辛口なシンクタンクは2%未満の成長との予測をするとこもありそう。

 4月にはもう少し状況がはっきりしているはず。もし4月まで国会が混乱していたら、タイは「国として終わっている(未熟である)」し、コロナウイルスがまだ猛威を奮っていたら世界は終わっている(これはさすがに冗談)。

 なお、蛇足であるが、そもそもコロナウイルスが騒がれる前から、タイ経済にせよ、世界経済にせよ、2020年の景気予測は悪かった。コロナウイルスにより更に下押しとなったのであり、コロナウイルスにより景気が悪化したわけではない。

 

✎コロナウイルスの感染者(国別)

 ダイレクトにタイ経済と関係はないが、一応挙げておく。以下は2020年2月14日正午の時点の感染者数である。なお、()の中の数字は死者数である。

  • 中国 63,851人(1,380人)
  • 日本 251人(1人) ※クルーズ船効果
  • シンガポール 58人(0人)
  • 香港 53人(1人)
  • タイ 33人(0人)
  • 韓国 28人(0人)
  • マレーシア 19人(0人)
  • 台湾 18人(0人)
  • ベトナム16人(0人)

 

 ところで、カンボジアの感染者は1人である。しかし、あれだけ中国人が大量にいて、1人のはずがない。単にコロナウイルスを検査できる医療機関がないため、見つかっていないためであろう。コロナか判定するには、タイに患者の検体を送って検査しなければならない。

 さらに、今日(2月14日)の午前、コロナウイルスに感染した疑いのある乗客がいるとして、日本などが入港を認めなかったクルーズ船「ウエステルダム」が、シハヌークビルに入港、乗客乗員2,200人以上が下船を始めている。

 他の国が拒否したクルーズ船を受け入れることは素晴らしいと思う(利権か裏金が絡んだ?)。しかし、もうちょっと医療水準が高い国で受け入れたほうが良かったのに、、、、とも思う。

 クルーズ船の皆様ならびに出迎えるフンセン首相含めた政府高官の皆様、ノーマスクで微笑みを浮かべています。

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 ということで、カンボジアの美少女が被害にあうことがないことを祈りつつ、この記事を締めますね。

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