鼻が折れると鼻血がたくさん出る

タイ現地採用6年目。行動しながら日々悩んでます。皆さまのキャリアのお役に立てますように!

今だから言うけれど、現地採用というのはコンプレックスであった

 

サイさんが言った。

「タイにいる時は全然飲み会に来なかったじゃないですか」

こう言われて、はっと気づいたことがあり、つらつらと書き連ねていく。

 

✎駐在員と現地採用には経済力以上の格差がある気がする

 

日本に戻ってきて、ほぼ毎週、家で食事会をしている。人数はだいたい5~6人、私が料理を作っている。あるいは友人を誘って登山をしている。会社の人だったり、大学の友達だったり、タイで出来た友人だったり、友人が友人を誘ってくれたり。

 

サイさんは続ける。

「日本に戻って、なんか凄くアクティブじゃないですか」

 

日本に帰国してから、人間関係に投資しようと思い、人とのコミュニケーションを増やしたつもりであった。しかし、きっとそれだけではないことにふと気づいた。

 

タイではやっぱりコンプレックスであったのだ。現地採用であるということが。だから、日本人コミュニティーに出ていき、人と関わろうとしなかった。もちろんそれだけが理由ではないけれど、それは相応に大きな理由であったのだと思う。

 

特に日本人の女性とはあまり関わろうとしなかった。被害妄想かもしれないけれど(いや純然たる事実では?)、駐在員の男性と現地採用の男性は評価に格差があるように思う。実際に経済力に大きな格差があるし、さらに「経済力以上の何か」さえあるのではないだろうか。

 

これは私自身のちっぽけで歪んだ自尊心から生まれた感情だと思う。でも、でも、でも!タイで現地採用をしている男性なら、共感してもらえる内容ではないだろうか。

 

現地採用と駐在員の差はこのようによく言われる。

「違う立場なのだから、待遇が違って当たり前。比較する意味がない」

 

これが正しいか、正しくないかではない。呑み込めるか、呑み込めないかである。結局、コレを呑み込めなかったので、私は今日本にいる。

 

 

✎でもやっぱり、人間関係は構築したほうがいい

 

現在、私は転職して大手のコンサルティングファームで働いている。私が主催している勉強会の参加者の方が入社を勧めてくれ、さらに推薦状も書いてくれた。そうでなければ、受けようとすら思わなかったであろう。凱旋帰国ですねって人によく言われるので「はい、凱旋帰国ですw」って言っている。

 

勉強会を始めたのも、人との縁である。推薦状を書いてくれた人も、友人の紹介で知り合った。さらに別の勉強会の参加者の取り計らいで、面接官から選考プロセスとは別に個人的にフィードバックを受けるという機会も得た。

 

タイに現地採用として就職してから最初の3~4年は、現地採用というコンプレックスから人とほとんどかかわりを持たなかった。しかし、次第に「勉強会」というような限定的な切り口から様々な人と関係を持つようになった。

 

人と接する中で、刺激も受けたし学びも多かった。そして何より職も得た。

 

もう少し早く、「切磋琢磨できるような前向きな人間関係」を作り始めることが出来たらよかったのにと思う。以下は山月記の一節であるが、まさに自分はその通りであったと思う。

 

名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。己は次第に世と離れ、人と遠ざかり、ますます己の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった。 (一部筆者による割愛あり)

 

 

✎改めて現地採用というコンプレックスを考える

 

私は東南アジアの現地採用を「場合によっては有り」と今も考えている。現地採用を続ける人、駐在員になる人、起業する人、いろんな人がいて「この立場になったから幸せ」というのはない。むしろ立場と幸せの相関関係は、けっこう薄いようにも思える。

 

コンプレックスは現状を打破する原動力にもなるから、「現地採用というコンプレックス」が一概に悪いものとも言えない。でも、やっぱり現地採用は駐在員よりも日本人コミュニティーにおいて「下」として、仕事でもプライベートでも見られてしまうという現実がある。

 

「オンヌットに住んでます」と言うと、「現地採用なんですね」って暗黙のコンセンサスが発生するの、本当にどうにかして欲しい。オンヌットは本当にいいところである。豚肉は売ってないが。

 

兎にも角にもコンプレックスとはやっかいなものである。

 

よく考えると、現地採用であっても十分に暮らしていける給与をもらっていたし、好意を寄せてくれる日本人の女性もいた。それでも、「現地採用というコンプレックス」は私の心に根を張っていた。

 

実は、この「現地採用というコンプレックス」についてうまく消化しきれていない自分がいる。みなさんは、この件をどう思っているだろうか。感じていることを教えてもらえたら嬉しい。